息子に

いつのまにか 
大きくなってしまった息子よ

あの雪の夜
自分にそっくりの顔で この世にやってきたお前を
父がどんな思いで眺めたことか
母がどれほど多くの願いを
初めての赤ん坊に託したことか

乳母車をふたりして押した あの春の午後
公園の砂場に赤いスコップを持って立つ我が子の
横顔に見とれた あの秋の夕暮れ

みんな 昨日のことのように
思えるのにお前は もう おとなになってしまった
父も母も わずらわしくなるほどに
おとなになってしまった

でも これだけは おぼえておいてほしい
父と母の間に お前の席が今もあることを
疲れた時に お前が休めるように
空席にして 
"RESERVED"の札が置いてある